大卒新卒へ、介護職に若い人は就かない方がいい!知っておきたい7つの理由
こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【しまぞー】です。
本記事の主な内容は、「大学新卒の若い人が介護職には就かない方がいい」という主張です。
なぜ、若い人が就かない方がいいのでしょうか?
本記事の前半ではその理由を7つ上げ解説、後半では新卒採用のメリットを生かせるケースも紹介します。
介護の仕事で出世や給料アップのためには、どのような企業に入社すると有利なのか?紹介すると。
介護業界に10年以上勤める私の経験ではこのような傾向があります。
次に、介護施設に就職する学歴に関する統計が「厚生労働省の職業提供情報サイト」にあるので紹介しましょう。
大卒は短大を含めると45.7%程度。高校卒は47.1%となっています。
つまり介護施設で働く職員の半数近くは大学卒という結果でした。
関連記事
介護の職業は、なかなか個人個人の成績で評価しづらい仕事です。そこで私の記事「介護事業で介護職員に対する成果主義での評価制度がなぜ根付かないのか?経験をからめて解説します。」で理由を解説しています。
介護にはどんな仕事や職場があるのか?給料はどのくらい?など知りたい方に向けて「介護の業態別年収と仕事内容を詳しく紹介」が過去記事にあります。
介護の職業は底辺職と揶揄する方がいますが、その理由を介護歴10年のしまぞーが解説した「介護職はなぜ底辺職と言われるのか?【10の理由】を解説!」記事があります。
介護職の平均収入、年代別推移
厚生労働省の統計で介護職員の基本給の経験年数別推移があったので紹介します。
※ただし学歴に関係なし。
経験年数 | 基本給の年代別推移 | (年収÷12、賞与分込) | 介護福祉士の月収の推移管理職 |
全体平均 | 187,180円 | 328,720円 316,610円(無資格者) | 360,680円 |
1年目 | 174,680円 | 290,980円 | |
5年目 | 180,110円 | 318,820円 | |
10年目 | 187,610円 | 327,590円 | |
19年目 | 208,230円 | 365,630円 |
上記表より、基本給は10年働いても12,930円しか上がっていないことが解ります。
介護福祉士の有資格者は10年後、月収36,610円、年収にして44万円アップです。
この数字が多いとみるか少ないとみるかですが、今回の表は大卒だけに限定する統計ではありませんが、介護保険制度の中身を知ると、年功による賃金の上昇は期待できないのが現状です。
さらに詳しく知りたい方へ、厚生労働省の調査結果を紹介します。
▼ 常勤の介護職員の年代別基本給の推移(有資格者含む)
▼ 常勤の介護福祉士の年代別基本給の推移
▼ 介護業態別管理職の年代別月収の推移
若い人は大学を卒業してまで介護職に就かない方がいい7つの理由
7つの理由の前に、そもそも介護事業所は大手企業系列グループではない限り小さな事業所が多いです。
そのような事業所は新卒の受け入れ態勢が出来ていないところが多いです。
人事や労務による新卒の研修など、教育カリキュラムがしっかりしていないところは、学卒が有利に働く態勢がないということです。
理由①:給料が上がりづらい仕組み制度
特別養護老人ホームに新卒で介護職に就くと、初任給で総額の月給が20万円です。
年収300万円が相場。
3年勤めて介護福祉士の資格を取得して、年収が首都圏なら350万円から400万円の間です。
これ以上は頭打ちです。
なぜ、介護職は給料が上がらないのか、それは今の介護保険制度の介護報酬(売り上げ)に問題があるのです。
- 介護施設では受け入れ可能な利用者に上限がある
- 介護のサービスの料金は国で決められている
上記二つの理由により、介護報酬は上限があるため、職員の給料は上がりづらいのです。
下の記事は、更に詳しく「介護報酬(売り上げ)の仕組みと介護保険制度の問題点を解説!」しています。良かったらどうぞ!
理由②:役職に就いても給料は上がらない
年功序列で「役職に就けば上がるだろう」という考えは甘いです。
ユニットリーダー手当は良くて1万円程度です。手当がつかない所も少なくありません。
※ユニットリーダーは、早くて3年目から抜擢されます。
主任クラスで、これも一概にはいえませんが、1万円程度の金額です。
その上は、施設長ですが、こちらに就くには学歴ではありません。縁故関係などになるため狭き門ですよね。
私の先輩で、今現在で20年の経験がある方でも、3年目の介護福祉士と年収はほとんど変わらないのです。
私の過去記事で介護の職業の給料が上がらない仕組みを解説した記事「介護の職業はなぜ給料が低い?5つの原因を詳しく解説!介護へ転職する方必見です」を良かったらお読みください!
大卒新卒のメリットは、一般企業では、幹部候補として育てられることです。
「今の時代そりゃないよ」と、思われるかもしれません。
そして、一般企業は年功序列、終身雇用は崩壊するだろう。といわれてもいます。
しかし、今でも大手企業では経験をつみ、年功で給料が上がっていく仕組みが残っている所も多いです。
給料が上がりづらい介護の仕事ですが、給料をアップする方法はあります。下の記事「介護職員が給料をアップさせるための7つの方法を紹介!」で解説していますので良かったらどうぞ!
理由③:離職率が高い?
介護業界は離職率が高い業界と言われています。しかし、調べてみると一般企業と介護業態は、16%と同じ程度の離職率です。
ちなみに、私が勤めていた特別養護老人ホームの離職率は、40%を超える異常とも思える数値です。
介護職は離職率が高いと言われていますが、実際にどうなのか解説した記事「なぜ介護職員は退職者が多く離職率が高いのか?辞める6つの理由と5つの対策」を是非お読みください!
理由④:介護以外では役に立たないスキル
例えば、晴れて大学の新卒で介護施設に入社しました。3年目で介護福祉士の国家資格を取得しました。
介護技術を身に着け仕事をテキパキとこなし、新人を教育指導する立場になりました。しかし、諸事情により退職することになったとします。
そして、転職活動をしますが、介護職での経験は、転職に必要なスキルがなかなか付きません。
介護職での経験は、一般企業ではほとんど役に立たないのです。
介護技術という名の技術は、他の職種では役に立ちづらい。そのため、大卒のメリットはなくなります。
介護職が身に付けると役立つスキルを紹介した記事「介護職員が身に付けるべき【スキル5選】現役介護士が紹介!」を紹介します。良かったらどうぞ!
理由⑤:カガミとなる学ぶべき先輩が少ない
一般企業では、良くも悪くも新卒には先輩が手厚く指導してくれています。先輩後輩の関係により、上に引っ張ってくれるという習慣が良くも悪くもあります。
一方、介護業界では、介護に関する知識は、自分で勉強し取得していかなければなりません。
介護技術に関しては(おむつ交換等)、ベテランの介護士はこだわりを持ち、非常にうるさく指導されます。
「これはだめ、それはだめ」といって否定してくる先輩職員は多いですが。
「こうしたほうが良い」と言う建設的、具体的に言語化した指導ができる職員が少ない印象です。
新人指導の介護職必見「新人指導介護職員が新人を辞めさせない【教え上手な教え方】7つの方法」を紹介します。良かったらどうぞ!
下の記事では、一般企業から介護の職業へ転職希望の方へ向けて「一般職から介護職へ転職する方へ,メリット8選・デメリット4選」を紹介しています。
理由⑥:大卒は出世に有利の学歴ではない
語弊があるかと思いますが、介護施設では医療系の資格所有者が上位の立場の職場です。
施設の管理者は、専門学校卒の理学療法士、作業療法士、看護師などの医療職が多いのが経験上私の印象です。
理由⑦:向上心を削ぐ職場環境
新しいことにチャレンジしようとする向上心は、周りの職員から拒否反応が出て、言い方が悪いですが出る杭は打たれることも。
施設では、介護歴の長い人の考え方が一番という慣習があります。逆に新しい仕組み、効率の良い方法を取り入れにくい職場環境が残っているのです。
介護に対する思いを持って入ってきた人は、職場環境の悪さに潰れやすいです。
これは言い過ぎかもしれませんが、同じような思いや経験を持っている方も多いと思います。
介護職へ転職を検討されている方に向けて「介護職へ転職する方必見,向いている人向いていない人,勝手にランキング!」として向き不向きのランキングを作りました。
介護職員の大学新卒メリット
介護職で大学新卒のメリットを活かせるケース
介護職で給料を上げていくとしたら、営利企業がチェーン展開している介護業態を狙うべきです。
施設長が(20代、30代)で年収500万円、エリアマネージャー、本部の課長、部長と上がれば年収800万円という、うたい文句で宣伝しています。
ただ、部長になるには、狭き門だと思いますが、収入を上げていく可能性があるという事です。
介護職員への就職、転職に関する記事を3記事紹介します。
関連記事:介護職から年収1000万円稼ぐ3つの方法
介護へ転職する際,面接で聞かれる【質問と採用への対応策6選】
関連記事:特別養護老人ホームと有料老人ホームの面接内容を比較
介護は食いっぱぐれがない仕事
今回の記事は、大学卒で介護職のデメリットの話が中心でした。
しかし、介護職のメリットのひとつに「介護施設や事業所内での転職はしやすい」という点があります。
つまり「介護は、食いっぱぐれのない仕事」と言えるのです。
下の記事では「介護職は転職を繰り返すとどのような影響があるのか?メリット・デメリットを解説!」しています。良かったらお読みください!
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最後に
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下の記事では、「現役介護福祉士の給与明細を暴露!年収を【140万円】上げる具体的な方法」と題し、私の新卒での収入や、現在、特別養護老人ホームの介護福祉士としての給料を公開しています。
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