介護事故【転落,転倒,食事】を、介護へ転職する方に向けて解説!
こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【しまぞー】です。
今日は介護施設における事故「転倒・転落」、「食事での誤嚥事故」を取り上げます。
私が勤める特別養護老人ホームでは、多くの事故は入居者の「認知症からくるケース」、「ADL(日常生活動作)の低下からくるケース」が多いです。
我々介護士は仕事中常に入居者を見守り、危険を察知、予測をしアンテナを張り巡らして仕事をしています。
認知症になると、本人は歩行が不安定でも危険だと思わない。むしろ普段は歩行ができず車椅子対応であるが、認知症により車椅子に乗らず歩行してしまうケースがあります。
その結果、転倒事故などが起こりやすくなります。
利用者本人は転倒する危険を理解出来ないのです。
今回は、中高年はもちろんのこと、これから介護へ転職される方に介護の事故はどのようなケースがあるのか?どのような対策をしているのか記事にしました。
介護の事故は、なかなか研修などではわかりあせん。
ぜひこれから介護で働きたい、働く予定のあるみなさんに介護へ転職するとこのような危険があることを、理解してほしいと思い記事にしました。
転落事故について
車椅子からの転落事故
車椅子からの転落は、私の経験で多いのが、円背(常に背中が丸まっている)の利用者に車椅子の足先のステップをかけずに離れてしまう事から起きる事故です。
本人が車椅子上で、体動していたことで姿勢が不安定になり、顔面を前にして床に転落するという事故で、私も一度経験しました。
利用者は車椅子に一定時間座っていれば、背筋・腹筋に疲労感が生じたり、お尻や足に負担を感じてくるのです。
そうなると、不快感や疲労感から逃れるために、無意識に身体をずらすなどの行動が生じる。
つまり、「身体的な苦痛を緩和しよう」という意思が働いて体が動いて結果、車椅子からずれていき転落するケースがあります。
車椅子からの転落を避けるための介護職員の対策・・・
車椅子を自走できない入居者には
- 車椅子のステップを必ずかける
- 車椅子のブレーキを必ず掛ける
- 定期的な座り直しを行う
車椅子に長時間乗車していると、利用者も不快になります。褥瘡予防の意味合いもありますが、自分ではなかなか動けない利用者には、座り直しが重要です。
歩行中の転倒について
施設において歩行が難しい利用者には、基本ご本人様の希望や状態のよって、シルバーカー、サークル歩行器での移動や車椅子の移動になります。
しかし認知症で、なんとか歩行できる方が一番転倒リスクが高いと言えます。
本人は歩けると思っている、もしくは危険だという事を理解、認識できないのです。
歩行時の事故をさけるための介護職員の対策
私の経験上の対策
- 歩行中は必要に応じてではあるが見守り介助を強化する。
- 共有スペースで椅子に座られているときには、ブーブークッション等を設置し、立上られたときにすぐ対応する。
※ブーブークッションは身体拘束ではという問題はありますが 。
正直このケースの利用者様が、介護士にはとても厄介で転倒リスクが大きいのです。
認知症により本人は、基本自分が歩行が難しい事、転倒リスクが分からないのです。
この様なケースで、職員が本人に「動かないでください」「座っていてください」となると身体拘束と言われます。
入居者本人もこの様な声掛けをすると「不穏」になる事があります。そのようなケースでは、上記の対策と、心理面が安静になるような声掛けが重要だと思います。
ベットからの転落
ベッドからの転落も認知症が原因でのケースが多いです。
利用者が歩けないにトイレに行こうとし、ベッドから転落するケース、本人が就寝時多動でベッドから転落する。
このベッドから転落のケースも、車椅子での転落同様、臥床時に身体の姿勢に対する不快感や疲労感を感じたため起こるケースでもあります。
本人が身体的な苦痛から逃れようとするために、身体を動かされることが原因が多いと思われます。
更に、転落する前にベッド柵を外してしまうケースもあります。ベッド柵を外し転落をするととても危険です。
介護職員のベッドからの転落を避ける対策
- ベッドで臥床中は、マット敷床センサーを設置
- ベッドに離床センサーを設置
- ベッド下に転落マットを敷く
- 床下にホームセンターで販売しているセンサーを設置
- 臥床中の巡視を多くする
食事の事故について
食事の誤嚥事故
食事中の重大事故としては、利用者の嚥下能力が低下して食べ物や飲み物を上手く飲み込むことが出来ないケースです。
飲み込んだ食物が、食道から外れて気管支や肺に入り込んでしまう「誤嚥」です。
また、のどに食べ物を詰まらせて呼吸が出来ず「窒息」されるケースもあります。
更には、気管支や肺に細菌が侵入し炎症することで誤嚥性肺炎に至るケースも多いです。
誤嚥性肺炎は高齢者にとって発熱、更に死に至るケースも多いと言われています。
食事での事故を避けるための施設の対策
施設の職員は利用者に対して、それぞれの嚥下能力を把握し食事形態、形状を決めています。
食事介助は、必ず飲み込みを確認してから次の料理を提供します。
お年寄りの方で、嚥下状態が悪い方は、「ごほ、ごほ」とむせこみます。しかしこのケースは逆に分かりやすいのです。
むしろさらに危険なのは、飲み込む際に、むせこみすらできないくらい嚥下機能(飲み込み機能)が落ちているケースです。飲み込み不良の状態が一番怖いのです。
私の経験でも、食事中入居者の顔が青白くなりうなだれてている状態がありました。
すぐに血中酸素飽和濃度を測ると40%です。救急搬送しましたが、後で結果を聞いたらのどにパンを詰まらせていたのです。
食事形態に関しては、特別養護老人ホームでは委員会もあります。また歯科医の往診や栄養士、看護師が中心に相談し決めています。
誤嚥性肺炎は、口の中の細菌が気管支や肺に入り込み炎症することが原因です。
誤嚥性肺炎を避けるための重要なひとつに、食後の口腔ケア(歯磨き)、入れ歯の手入れです。
食事中の誤薬事故
施設においては、食事の前後、入眠前には、お薬の服薬介助があります。
この服薬事故がとても危険で、重大な事故につながる危険性があるでしょう。
私の過去の記事に、誤薬事故の記事がありますので良かったらどうぞ!
再度申し上げますが、介護職は経験を積めば積むほど、転倒になどの事故に敏感になります。
それは今までに、自分だけではなく他の介護職員の事故を経験をしてきたからです。
新人の頃は、他の職員もカバーしてくれます。しかし介護職員のスキルとして危険察知能力は大げさですが、目配り気配り、気配りが重要な仕事です。
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