介護オムツ交換の手順・ポイントを現役介護士が詳しく画像解説!
こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【しまぞー】です。
介護へ転職、就職した皆さんは
「オムツ交換さえできれば、もう介護職として一人前。どこでも通用するぞ!」
と、同僚や先輩から言われることもあると思います。私が参加していたヤフー知恵袋でも、言っていた回答者が多くいました。
それだけオムツ交換は、介護では重要な「きも」とも言える介護技術です。
最も少ない回数は4回でした。夜間は利用者の安楽さを考えて交換をしないようです。
- 施設系はバンバン使う。
- 居宅系は利用者の中で2名から3名使う。
今回は、施設系の新人さんを中心に、介護の”きも”である「オムツ交換」を画像で解説していきたいと思います。
- 【重要】清潔不潔の理念
-
例えば、介護施設では、手洗い場などに2つのシンクが用意してあります。
- 片方は清潔用・・・清潔なお皿などを洗うためのシンク
- もう片方は不潔用・汚れている手を洗うためのシンク
このように清潔保持のため、オムツ交換の際は、汚染されたタオルで二度拭きしないなど、清潔、不潔をしっかり分ける仕事をしなければなりません。
最後にオムツ交換の動画も用意していますので、今回の記事で確認しながら覚えていただくと、更にわかりやすいと思います。
おむつ、洗剤、おすすめ高齢者用介助アイテムを現役介護福祉士が紹介!
これらの商品は、私の施設で使っていたいわゆる業務用ですが、施設はもちろんのこと、ご家庭でのご利用もおススメです。
【パット】施設介護福祉士おすすめ!
【パット】尿の多い方におすすめ!
【パット】多くの施設で使っています
リハビリパンツSサイズ
テープ止めオムツMサイズ
テープ止めオムツLサイズ
シーツに漏れを防ぐ使い捨て吸水シート
オムツ破棄用消臭袋300枚入り
【使い捨て】ビニール手袋(粉なし)
【使い捨て】オムツ交換用エプロン
いやな臭いをシャットアウト!おむつ処理ポット
ベッド用防水シーツ
防水シート【介護施設との共同開発】
①:準備【ここはとっても重要!】
しまぞ―の場合:「おしめを確認してもよろしいでしょうか?」
オムツ交換の際の準備はとても重要です。
- 物品を準備するのはもちろんの事、作業を始める際、パットやオムツを交換しやすい位置にセットする
- 交換中に準備し忘れたものを取りに行くなど問題外
- オムツ交換のスピードを問われる事がありますが、遅い理由に準備を怠っているケースがある
介助者の準備
- 手袋をする(2重でもいい)
- 下拭きタオル、汚物用バケツを用意する
- オムツとパットをセットする
- パットのギャザーを立てる。パットの両端をもって「パンパン」と広げれば、自然と立ちます
- パットをオムツのギャザーの中に入れこむ
②:オムツのテープ面の4か所を折り返す
何故折り返すかと言うと、テープ面はざらついているため、入居者の肌に触ると傷つける可能性がある。
③:使用中のオムツを広げる
利用者のひざをたてます。オムツを広げた際に「右側の図」のように排泄物をお尻から離すため、利用者に腰を少し上げていただき、介助者はオムツを少し手前(赤矢印)に引きます。(パットがあればパットをずらします)
そのことによって、陰部洗浄やオムツ交換が行いやすくなります。
動画にはないが、パットがある場合は、この時に利用者を少し側臥位にして引きぬいておく。
※この動画では、パットをセットしませんが、通常はオムツにはパットを入れます。
ズボンの脱がせ方
- 片足ずつひざを立たせる
- 介助者の片手で太ももをあげる
- もう一方の片手でズボンのウエストを持つ
- これを繰り返し、ズボンを引き下げていく
④:陰部洗浄
陰部洗浄では片手で陰部洗浄ボトル(陰洗ボトル)をもち、片手で陰部周り、陰部をやさしくこすりながら洗浄する。
⑤:水分を拭き取る
陰部専用タオルで拭き取る。その際、清潔保持のため拭いたタオルは同じ面で2度拭かない。タオル面を変えながらきれいに拭いていく。
赤矢印の様に、汚染されたオムツとからだの接触を避けるために足元にあるオムツを丸めておく。
⑥:仰臥位から側臥位へ
- 上記の清潔不潔の理念に基づいて、側臥位にする際には介助者は汚れた手袋では行わない。
- 側臥位にする前に手袋を外す。利用者がある程度自分で横向きになれるなら、手袋は外さなくてもいい。
- ①から③は、ボディメカニクス(体とベッドの接地面を少なくする)により力を入れなくても身体を動かすことが出来ます。
※この動画では介助者の手前側に顔がくるように身体を倒しているが、私の場合は、介助者の反対側に顔が向くよう側臥位させます。
利用者を仰臥位から側臥位にする手順
- 利用者に両手を胸で組んで頂く
- 利用者のひざをたてる
- 赤矢印の様に、利用者のひざと肩を軽くもち、利用者のお体を手前に引く
⑦:おしりを拭く【清潔保持のポイントを解説】
- 動画にはないが、汚れていた場合はお尻や肛門の洗浄を行う
- お尻を拭いていく。陰部同様、同じ面では拭かない
⑧:手袋を外すタイミング【清潔保持】
【重要】手袋を外すタイミング:不潔の作業が終わり、清潔な作業の新しいオムツを履く時に外す。
左図:オムツを引き出しやすいように丸める。
右図:使用し外した手袋は、古い廃棄するオムツの中に入れてしまいましょう。
⑨:古いオムツを外す【清潔保持】
この動画では説明されていませんが、古いパットを引き出す際は、股の中から引きださないようにしてください。陰部が汚れないように、側臥位で引き抜きます。
⑩:尿失禁を防ぐために【清潔保持】
この動画では、青丸の部分から尿失禁によりシーツまで汚染するケースがある。漏れを防ぐために新しいオムツはもう少し身体に入れ込み準備しておいた方が良い。
⑪:綺麗にオムツを当てるポイント
ここできっちりオムツを当てられるように、体のお尻と腰の真ん中のライン(赤ライン)と、オムツの中心線(青ライン)を合わせるため、一旦試しに軽く当ててみると中心が合いやすい。
- テープの上を腰椎(腰骨)に当てる。
- テープの下は大腿部大転子に当てる。おしりの割れ目あたりが目安です。
⑫:オムツ交換の重要ポイント
動画では語られてないが、介助者は赤丸の部分で作業を行っています。
何をしているかというと、利用者の身体を側臥位でオムツパットを奥側から入れ込んだ際に(画像:綺麗にオムツを当てるポイント)、手元側にあるオムツやパットがよじれています。それを直しているのです。
入れこんであるオムツとパットのよじれを丁寧に直し広げます。
この作業が忘れやすいので気を付けて下さい。この作業を怠ると、漏れの原因となり、ご利用者様も不快な思いをします。
⑬:内股からパットオムツを引き出し,そけい部に当てる
股よりオムツパットを引き出し、そけい部とパットのギャザーを合わせる。そうすれば、尿漏れリスクを低減できます。
オムツの立体ギャザーをそけい部(左右の太腿の付け根の部分)に当てる為に、オムツを握り、「キュッキュ」と優しくふりながらそけい部にギャザーを当てます。
- 女性の場合は、パットは谷(上記写真)を作り当てる
- 男性の場合は、パットは山を作り当てる
しっかり腰からお腹にかけて、オムツの中心ラインが合うようにオムツを履かせることが出来たら成功です。
⑭:オムツテープの貼り方の基本
- 下のテープは大腿部大転子に沿って、上に貼り、上のテープは腰骨に引っ掛けるように下に貼りつける
- オムツを広げて左手で抑える
- オムツの中心がお腹の中心に来ていることを確認する
- オムツのテープを下から順につけていきます。左下→右下→左上→右上の順に付けていく
あまり締め付けないようします。私は赤丸の部分は、先輩から握りこぶし1個分が入るようにと教わりました。ちょっと大きいとは思います。
今回の動画は、Unicharm Japan様、ニチイ学館様からお借りしました。
※動画を参考にしながら、解説で確認していただくと更にわかりやすいです。
以上です。画像での説明では足りない部分があります。是非動画を見ながら確認してください。
>>関連記事:介護職員が身に付けるべき介護技術以外のスキルも紹介
今日はブログを読んでいただきありがとうございます。また宜しくお願いします。
良かったらスマホにブックマークしてください。とても励みになります。
今日のサービスショット!
コメント
コメント一覧 (2件)
初めまして。秋桜と申します。オムツ交換の手技は介護される方の負担も介護者の心身の負担にも影響しますね。きちんとオムツを当てなければ衣類や寝具を汚染させてしまい仕事量をぐんと増やしてしまいますし。医療の現場でも重要な手技だと思います。ありがとうございます。
(id:akinisakusakura)
秋桜さんこんんいちは!
コメントありがとうございます。
介護職にとってオムツ交換は「きも」なんですよね。
経験上、当て方が上手い人は、介護の仕事が全般的に出来る人だと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。