こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【しまぞー】です。
今回はTwitterで今話題の小規模多機能型居宅介護という業態を紹介します。
比較的新しいサービスで、意外とこのサービスを知らない方も多いようです。
この記事はあくまでも私の経験であり、どこかの事業所をディスるとかの考えはないですよ笑(ピー)
ちなみに、私は小規模多機能は介護歴3年目と4年目に2か所経験があります。
今回その経験から小規模多機能とはどのような事業所なのか?
- どの様な方が利用しているのか?
- 夜中にラーメンを食べる利用者はいたのか?
- どのような業態なのか?
- 実際どのようなサービスを行っているのか?
- 利用料金は?
などの疑問点を私の経験から解説したいと思います。
まず最初にどのような方が利用しているのか?その特徴は、介護度は低め、要支援から利用できます。
下の概要でもお話ししますが、小規模多機能居宅介護は通所、訪問、泊りをミックスさせた業態です。
運営当初はなかなか利用者が集まらないようです。
その為、売上は宿泊に頼らざる負えなくなり、なんとかお部屋をうめるため、在宅で見ることが難しくなる利用者、常連さんが宿泊を利用することが多くなっていました。
利用者がイレギュラーで泊を希望された時は、事務所のソファーベッドに寝ていただくことも数回ありました。
また5名,7名の宿泊施設(最大9名)でショートステイなので管轄の市区町村より週に1日帰宅するよう指導がありました。
その為、利用者を週一回夜に帰宅させて朝迎えに行く事、週一回自宅の中に入り掃除をして帰設するなどの、自治体への「ごまかし」はあったと思います。
利用者の中には長谷川式認知症スケールでの採点も20程度軽度の認知症の方もいました。
上記にある通り、泊り(ショートステイ)の方は長期になり、お部屋は個人で管理される方もいます。
皆さんが知りたい夜中にラーメンを提供するのかというと私の経験ではないです。ただ普通にポット持参でお湯を提供しお部屋で自由にお茶を飲まれる利用者もいました。
そういえば毎日チーズを持参し、冷蔵庫(共有)に入れて朝食時に他の利用者に配る方もいました。
※この辺の日常は私も施設勤務の前の経験であり、「おかしいだろ」と突っ込まれてもそんな過去の事知りませんよ笑
また事業所への送迎も自分で自転車で来られる方、歩いてこられる方もいました。ここが施設と大きな違いですよね。
逆にオムツ対応の方は少なく、1,2名なので職員の介護技術に関しては施設と比較してスキルは低いです。
それはそうです、施設では夜勤であれば50回くらい交換しますよね。それが小規模多機能では数回ですから。
もう2点上げると、看護師は週2回程度のパートでした。栄養士は在籍していません。
ここからは、小規模多機能の料金などの解説ですので、目次を使って飛ばし読みをしてください。
【追記】
6月26日のニュースに特別養護老人ホームで高齢者の入浴事故がありました。
ちなみに私の勤めていた小規模多機能では、入浴をする際、自立のため介助を拒否すると言うか、あたりまえのように職員は浴室には入らない、外で見守る利用者はいましたね。
小規模多機能居宅介護のサービス内容と仕組み
注意点)これからのお話は私の計算や経験であって、実際に私は管理者経験はないのでご了承ください。
小規模多機能居宅介護の概要
小規模多機能は、介護保険サービスとしてはグループホームと同じ、地域密着型サービスになります。また認知症対応型サービスです。
※地域密着型とは事業所と同じ市町村に住まいの利用者が利用できるサービスです。
小規模多機能型居宅介護の仕組みは、デイサービス、訪問サービス、宿泊サービスの3つの介護サービスをミックスさせて提供します。
小規模多機能の利用料金の仕組み
デイサービスと訪問サービスの月の利用料は基本定額料金で介護度によって料金が指定されています。
つまりデイサービスや訪問サービスがミックスで管理者と入居者ご家族が利用の仕方・頻度を相談し、なるべく本人の希望に沿ったサービスを提供しています。
泊りに関しては別途宿泊代はかかります。私の知ってる限り、宿泊代は一泊2千円程度でした。その他食事代と介護保険サービス料金がかかります。
小規模多機能のサービスと居宅サービスの料金体系の比較
■厚生労働省:区分支給限度額(出典)
これから上げる2例の比較は、どれだけ小規模多機能がお得なのかを紹介していきます。
要介護1の居宅区分支給限度額:16,580円(1割利用者負担分)
※小規模多機能の料金もほぼ上記の区分支給限度額の上限と同じ
上記はデイサービスや訪問サービスの在宅介護の介護保険の限度額です。
これらの業態を利用している方は、毎月この金額を支払うわけではなく、利用した分の介護保険料金を支払うシステムで、その限度額が16,580円ですね。
これから計算する料金はあくまでも小規模多機能と比較するため、居宅サービスも限度額で最大どのくらい利用できるのか計算しています。
料金の具体例:デイサービス
7時間以上9時間未満:674円/1日
月16,580円÷674円=月/24回週6回利用可(利用回数は利用者による)
■料金表:デイサービスセンター藤心八幡苑(出典)
http://houjukai.or.jp/pdf/fujigokoro/day.pdf
料金の具体例:小規模多機能居宅介護
料金はほぼ居宅介護の限度額いっぱい、つまり要介護1の利用者は16580円で基本利用し放題の定額制です。 私が経験した小規模多機能の利用
経験例:①)小規模多機能のデイサービス利用
週7回朝の10時から17時までの7時間利用
ここでデイサービスの週6回の利用を超えてるわけですからお得ですよね。
経験例:②)小規模多機能の訪問サービス利用
朝の8時、10時、12時、15時、17時、20時(1日6回)一回当たり30分週5日利用している方いました。
料金の具体例:一般の訪問サービス
料金:身体1(30分未満)281円
1日6回30分未満×週5回×280円×週4=33,600円
一般の訪問サービス280円で、上記のような1日6回週5日(経験例②)の利用の仕方は介護保険の限度額を超えてしまいますね。
注意点①)介護保険サービスは公費9割、自己負担は1割(所得に応じ2割3割負担)
注意点②)介護保険の支給限度額を超えると、自己負担になります。極端な話16,580円を1万円超えると10割負担になるので10万円かかる。
つまり利用者の負担は1割です。それだけ介護保険サービスは、お得な福祉サービスだと思います。
しかし小規模多機能は定額制なので、16,580円に収まるという事です。
もちろん訪問サービスを週3回、デイサービスを週3回など組み合わせは自由です。
■訪問介護料金
http://daisenkai.jp/roken-kuroishi/common/pdf/h2704_kuroishi_ryokin_homon.pdf
私の勤め先の小規模多機能事業所経営の苦難
私が経験した2か所とも運営当初は大変苦労したようです。
- 最初の半年は利用者が2.3名しかいない
- 最初の半年で利用者が6名になったと喜んでいた管理者
- 複数事業所が経営不振で廃業
この様に小規模多機能居宅介護がお得であると思っても、なかなか集客が出来ない業態の様でした。(数年前)
小規模多機能のデイサービスの特徴
- 日中利用者様は、それぞれ脳トレやトランプなどに興じてました。
- 介護職員は車の免許を持っていれば、デイサービスの送迎を行います。
- 融通が利くという点では、利用者が帰りに「スーパーに寄りたい」と言えば多少無理を効かせて寄り道します。
デイサービスの利用回数で、これも私の想像ですがオープンしたての利用者はある程度無理を聞いて回数が多いでしょう。
人数が増えたからと言ってその方の回数を減らすことは難しいでしょうね。
この辺は事業所のサジ加減になってくると思われます。
小規模多機能の訪問サービスの特徴
訪問サービスの仕事は、掃除、食事作り及び提供、おむつ交換、入浴介助(基本訪問サービス)です。
私が酷いと思ったのは、独居の方の訪問で、夕方の16時に30分の利用で食事とおむつ交換を行いました。
次に訪問する時間は朝の10時です。その間18時間訪問しないのです。
ある利用者さんは頭がクリアーなので無理にベッドからトイレに行こうとし、ベッドから転落し本人に聞くと夜の18時ころに転落したと話していました。
それから発見される朝10時まで、転落した状態でした。
また褥瘡の対応が酷かった方もいました。皮膚がはだけてるような状態です。
それをケアマネージャーが、朝出勤したら真っ先に訪問し褥瘡の処置をしていたのです。
今考えれば医療行為、違法でしょ、と突っ込みたくなります。
私が知ってる一番恐怖を感じた夜勤での出来事です。よかったらどうぞ!
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訪問介護に関しての詳しい記事はこちらをどうぞ!
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独立するなら訪問介護という記事です。
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小規模多機能居宅介護の宿泊の特徴
最大5名や7名の宿泊設備になります。
職員の夜勤は楽でした。
自立の方が多く利用者の特変など1回もなかったです。
泊まられる方の人数もその日によって違います。
運営開始当初は泊が2名だけの時もありました。
流れとしては、だんだんと同じ方が日数を増やしていき、最終的に毎日泊まる方が多くなっていくという感じです。
確かに事業所にとっても毎日泊まれば売り上げが見込めます。ただ泊まりっぱなしは、自治体の担当者に指摘はされていました。
夜勤は17時から翌朝9時までのロング夜勤ですが、20時まで遅番がいたため雑務を夜勤でやる事は無かったです。
私は丁度介護福祉士の受験資格があった為30分から1時間程度は勉強してました。
今日はブログを読んでいただきありがとうございます。また宜しくお願いします。
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