介護技術:腰を痛めない移乗介助(トランスファー)方法を画像解説!
こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【@しまぞー】です。
今回は、車いすからベッドへの移乗介助を解説します。
また、なるべく腰に負担をかけない特殊な移乗方法も紹介しています。
特殊ではありますが、しっかりとボディメカニクスを使用した理にかなった方法ですので是非ご覧ください。
まずは、移乗介助の準備と間違った移乗介助を紹介します。
そして、正しい移乗介助、最後に腰の負担のかからないおすすめの移乗方法を紹介します。
移乗介助(トランスファー)の注意と準備
ベッドに車椅子をつける際の角度は30度
車椅子のブレーキをかける
車椅子のフットレストを外す。(両側ともに)
移乗介助の際に、利用者の身体が車椅子の器具にぶつからないようにします。
動画では折りたたんでいますが、外せるなら外した方がいいです。
車椅子のアームレストを外す
アームレストを外す目的は、利用者の腕がアームレストにこすらないようするためです
アームレストと利用者の腕がこすれて、腕の皮がはがれる事故は多いです。
利用者のでん部を車椅子の前方に移動
移乗しやすいように、利用者のでん部を車椅子の前の方に移動させる。
利用者の足を少し前にずらす
利用者の足は、移乗後の位置に近づけておきます。足を前に移動させることで、安全な利用者の移乗がやりやすくなります。
特に麻痺者の移乗介助の際には重要です。過去の記事に麻痺者の移乗介助の方法があります。合わせてごらんください。
移乗させる際の介助者の足の位置は、利用者の足をロックし安定させる
ロックする方法は2パターンあります。
私の経験で片足ロックは、女性介護士に多いようです。
ちなみに私は両足ロックです。片足ロックの場合は、移乗の際に利用者と介助者の足が絡まる危険性があると思うからです。
次に間違った移乗介助を5つと、それに対する正しい移乗介助を紹介していきましょう!
移乗介助時,ボディメカニクスの使い方
間違った移乗介助方法①:上方向に力の入れる
正しい移乗介助方法①:手前に引く
間違った移乗介助方法②:身体同士が離れている
利用者と介助者の身体が離れている(3点支持が取れていない)と介助者に余分な力が入り、バランスも悪くなります。
3点支持の利用者と介助者の身体を近づけるとは
つまり利用者・介護職それぞれの重心が近いほど移動がしやすくなります。また身体を密着させると余分な力がいりません。
※3点支持とは、両腕と肩を密着させることによりバランスを安定させる。
正しい移乗介助方法②:3点支持で支える
正しい移乗介助方法③:介助者の身体に負担のない力の入れ方
ポイント!
持ち上げる力は必要としないため、介助者にとって腰の負担は軽減されます。
足の支持が取れない(力が入らない)利用者に対する方法です。
左側の写真はロックしていない、右側の写真は介助者の両足で利用者の足をロックし安定させています。
間違った移乗介助方法④:介助者は腕を利用者の背中で組まない
両腕を組むと移乗の際、介助者の腕の自由が無くバランスがとりずらく危険です。
正しい移乗介助方法⑤:介助者は腕を利用者の背中に余裕持って支える
利用者の背中で腕を組まない。
なるべく利用者の方を持ち上げないで、利用者の両脇に腕を入れて支えます。
私が使っている腰に負担の無い移乗介助(トランスファー)方法
- 介助者のわきの下に利用者の頭を入れ頸部をロックする
- 利用者のわきの下に腕を入れ込む
介助者の脇の下から入れ込んだ左腕は、移乗の際、腕を手前に引く形で支えます。
介助者の姿勢は腰を落とさず、立ったままの状態で移乗できるので、腰に負担が全くない移乗方法です。
介助者は、下半身全体で回転し利用者をベッドへ移乗します。腰をひねらず、体全体で回転します。
この介助方法を使えない利用者と注意点
まずこの介助方法を使う際の注意点は、そもそもこのような移乗方法を使われたことのない利用者にいきなり使用すると、「びっくり」させてしまいます。
足が硬直、拘縮している利用者、ひざが折れない利用者にこの方法は使えません。
手前に身体を引いた時に、足が折れないと、そのまま前にスライドしてしまい前傾姿勢が取れずベッドへの移乗が出来ません。
今回の動画は【asada】さまからお借りしました。
この動画では、その他利用者の状況に合わせた8種類の移乗介助(トランスファー)が紹介されています。
私のおすすめした移乗介助(トランスファー)は動画の「9分50秒」からです
>>【まとめ】介護技術の画像解説:完全マニュアル永久保存版!11記事
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