介護施設のフロアは動線を考えて席を配置,通路を確保すべきその理由!
こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【しまぞー】です。
今回の記事は、介護施設のフロアー、ユニットの動線について考察していきます。
まず動線の意味を解説しますと・・・
- 動線とは
-
人や物が移動する際にたどる軌跡、経路という意味の言葉です。
建築物の構造について言われる言葉で、その名の通り、人や物が移動する時の動きを線として表したものです。よく「動線を確保する」と言われますよね。
- 介護施設での動線の確保の意味
-
特に歩く経路を確保することによって利用者の「安全の確保」と介護職員の「業務効率」があげられます。
通路等は利用者に障害物となるようなものが無いよう整理整頓する。利用者の転倒事故を低減する。という意味が大きいでしょう。
今回の記事では、介護施設での利用者と介護職員のそれぞれの立場から見た動線の重要性を考えていきます。
良かったらお付き合いください。
動線という言葉はいろいろな職業や職種で使われています。それぞれ動線に対する考え方が違います。まずは、アミューズメント施設と飲食店を紹介しましょう。
業種の違いによる動線の考え方
飲食店での動線
私は、以前大手飲食店で働いていた当時、店舗責任者として新規オープン店の立ち上げを経験しました。
その中で、お客様の通路、導線を考えなら店舗設計、テーブル座席のレイアウトを考えることはとても重要でした。
もともと飲食店において動線とは
- お客様の店舗内での居心地の良さ
- ホールスタッフの移動のしやすさ
を考えた店舗レイアウト設計になっているでしょう。
ウエイターは忙しく動き回ります。お客様のテーブルへ、安全に料理を運び提供出来るよう動線を考える必要があるからです。
アミューズメント施設・商業施設の動線
飲食店とアミューズメント(娯楽)施設や商業施設では動線の考え方に違いがあります。アミューズメントレストランなどは動線を複雑にしているケースがありますね。
アミューズメント施設にとって複雑な動線は、お客に対してわくわく感を演出し、楽しませることを目的としています。
また商業施設にとっての動線は、お客により多くのテナントに寄ってほしいとの狙いがあります。
そのために、通路やエレベーターは、お客様の滞在時間を増やすことを狙いとして工夫された配置になっていて、
「回遊率を高める」つまり滞在時間を増やすことを目的とした構造になっています。
この動線を確保することは介護施設の居住内レイアウトを考えるうえでとても重要なことです。それでは介護施設の動線について解説していきます。
介護施設において動線の確保が重要な理由
介護施設が、動線の確保を考えなければならない理由を、利用者側、介護職員側それぞれ考察してみました。
介護施設の動線が重要な理由:利用者の安全確保
介護施設の入居者の多くは認知症です。もちろん認知症の利用者も通路が分からないわけではありません。
ただ独歩入居者が、通路にいつも置いていない物があると障害物となり、気が付かず、接触し転倒する事もあります。転倒は、骨折の重大事故につながる危険性があります。
介護施設にとって介護事故を防ぐため、入居高齢者の方々に大きな障害となるような段差や角を無くすことも動線の確保と言えるでしょう。
車椅子自操者にとっても、動線の確保は移動しやすさ、経路はとても重要で、飲食店と比較しても、介護施設はもともと通路が広く作られています。
また、以前からの施設従来型は通路が広く、ユニット型に移行する中で、家庭での生活を意識した作りになり、広さよりも過ごしやすさに重点が置かれるようになってきているようです。
介護施設のフロアにある障害物とは
- テーブルからはみ出している椅子
- 入居者使用するサークル歩行器や使用前の車椅子などがフロアにおいてある
- 施設の備品が無造作に置いてある
- 利用者が使う足置きがテーブルからはみ出して置いてある
いずれにしても、利用者が通る動線の障害であり、介護職員は業務中意識し障害物を取り除くよう直ぐに対処しなければなりません。
この記事をTwitterに投稿後すぐに、下のような貴重な意見のリプライを頂きましたので紹介します。
フォロワー様の「かねごん8」さんからです。
足取り危うい人はトイレ&部屋から近くにしたり 他利用者との関係が悪い人は1人席で離すとか でもコレって利用者本位置き去りですね ✨✨した考えに同調する気は全くありませんが。
— かねごん8 (@kane99902) 2020年5月6日
内容は、動線は入居者の居室とトイレの位置を考え部屋を決める事がある。
テーブル席は入居者同士の関係を考えて決めることがある。
そうですね、このような施設・ユニットの問題も動線、配置変更を考えながら決めていますね。
介護施設の動線が重要な理由:介護職員が移動しやすい動線
介護職員が利用者への対応をしやすいように、動線は確保しなければなりません。
その理由として2点あげます。
- 介護職員が車椅子の移動介助を行いやすいようにするため
- 見守り中に入居者が異常をきたした際、素早く駆けつける事が出来るよう
スタッフのための動線確保も、施設の安全性が高かければ「質の高い介護サービス」を提供できる重要な要素と言えるでしょう。
>>介護の転職は、特別養護老人ホームが絶対おすすめ!その理由
最後に
介護施設で勤める職員さん、また転職、配置移動の際、動線が問題ないか確認してみてください。
最初に申し上げましたが、アミューズメント施設の場合は、演出のため、また客同士のプライバシー保護のためわざと店内の動線、配置を曲折している業態もあります。
そこが介護施設とアミューズメント系の施設や飲食店とは、違う動線のとらえ方ではありました。
しかし昨今の介護施設でも、高級レストラン並みに雰囲気や豪華さ、広さを考えた施設運営をしている所もあります。
そのために、介護職員の人数をかけて、お金をかけて安全を確保する施設もあるという事です。
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