介護士しまぞーブログ

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MMT理論は社会福祉,介護職員の給料を増やす夢の理論なのか考察!

こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【しまぞー】です。

 

今日は、昨年あたりからネットなどでもてはやされている、経済のMMT理論(現代貨幣理論)を解説します。

 

皆さんからしたら、介護とは関係ないではないか!との意見もあるでしょう。

 

しかし、介護系の情報発信者の中には、このMMT理論を用いて、社会福祉、特に介護の職員の給料を上げることが出来る夢のような理論、との主張が見受けられました。

 

福祉にお金が回らない、福祉が貧乏、福祉を利用する人は貧乏。
理論上お金をいくらでも刷ることが出来る。
国債はいくらでも発行できるから、いくらでもお金をまわすことが出来る。

と言う主張を動画で見ました。 

 

ですので今回はそのMMT理論がどの様な仕組みなのか?正しいのか?実際に介護職の給料を上げることが出来るのか?をなるべくフラットな立場で、詳しく解説していきます。

   

MMT理論とは 

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MMT理論を簡単に説明すると・・・

 
日経ビジネス副編集長  様より引用

 「自国通貨建てで政府が借金しても、高インフレにならない限り財政赤字は問題なく、インフレになったとしても増税や政府支出の減少でコントロール可能」というのが基本的な主張です。

つまり、
MMTは「自国通貨建てで財政赤字を拡大させれば政府は簡単に経済の長期停滞から脱出できる」と主張して世間の注目を集めています。 


誰かの赤字は誰かの黒字、つまり政府が国債を発行して借金が増えれば、国民の資産が増えると言う理論です。 

 

MMT理論の背景

 

MMT理論は、反緊縮の対抗した経済政策の理論としてヨーロッパやアメリカで生まれました。

理論のもとは、レイ教授の「MMT現代貨幣理論の貨幣の仕組み」という本です。

 

特にMMTを政治家が推奨したのが、2016年の大統領選挙の民主党の候補者としてヒラリークリントンと争ったバーニーサンダースです。


バーニーサンダースは以下の三点を選挙公約にしていました。

 

①:大学授業料無料化


②:医療保険の無償化


③:雇用保証プログラムの無償化

      ※政府が雇用を保証し賃金まで保証する。

 

この財源をMMT理論によって財政出動し実現するという事でした。

 

しかし、バーニーサンダースは民主党候補争いでヒラリークリントンに敗れています。

 

上記特に➂の雇用を政府が保証するという考え方は、良い悪いは別として左派的な考えであることは想定できます。

 

むしろバーニーサンダースは社会主義者と自称していたようです。

 

MMT理論を用いて経済政策を行う目的(国債発行による財政政策)

 

今のデフレ状態にある日本の経済の景気を良くするには、日本政府が国債をどんどん発行して市中にお金を注ぎ込む。

このことにより、国内総生産が上がって行きインフレ、つまりデフレを脱却できると言う理論です。

  

MMT論者の主張


※世界経済の現状と 課題 - 経済産業省f:id:shimazo3:20200520180217p:plain

 

表のとおり日本の国内総生産の成長率が、アメリカや中国と比べて著しく低いことが分かります。

  

政府の負債は返済する必要が無い、明治以降の政府の負債は3740万倍、統計を取りだした1970年以降でも150倍です。これだけ負債が続いているので問題ないと言う主張です。

 

※―1)政府債務とは国債の発行です。ただここでの注釈として、インフレ率(物価の上昇)に気を付けなければならない。

※-1に関して)、インフレになったら増税すればいいと言うのが、MMTの理論の特徴です。

 

※ー2)MMT理論では、自国の通貨建ての国債発行ならいくら発行しても問題ないとの理屈です。


※―2に関して)、他の国の通貨だと、ギリシャ(ユーロ建て)のように破綻する可能性があるのです。


ギリシャはユーロ建てだったので自国通貨を発行して国債を買い取ることが出来なかったのが破綻の理由でした。


自国通貨建ての国債発行によって政府は財政破綻しない、また子会社の関係にある日銀も破綻しない、というのがMMT論者の主張です。

 

インフレにするには、政府(財務省)が国債を発行してお金を流して需要を促していきます。生産が需要に対して追いつかなければ自然と物価は上がりインフレになります。

 

ポイントは、需要が増えて生産が追い付かなければ物価は上がります。

これは今回のコロナのマスク騒動により理解できますよね。マスクが足りなく値段が暴騰しました。

 

ここで重要なのは、インフレをある程度コントロールしなければなりません。

 

具体的にはMMT理論の論者は、インフレ率を2.3%にコントロールすると言う主張です。

 

またそのインフレ率は、名目国内総生産(GDP)の上昇率を上回らないようにする。

これは名目GDPと実質国内総生産(GDP)との関係です。

 

実質GDPとは、名目GDPに物価の上昇(インフレ率)の影響を除き、実際の生産規模を測る指標です。

 

インフレ:名目GDPは実質GDPを上回る。

デフレ :実質GDPが名目GDPを上回っていることになる。

  

つまり物価上昇(インフレ)の状態は、名目国内総生産が、実質国内総生産より上回っています。

  

MMT理論の問題点7項目を上げ解説

 

①:MMTは社会福祉には利用しない


先ほど説明した国内総生産の話ですが、我々の仕事にかかわる社会福祉にお金をまわすという事は、国内総生産とは関係ないのです。


これはMMT論者で有名な三橋孝明さんも言っています。つまり「社会福祉は生産性とは関係無いからお金をまわしても意味がない」と言われています。

 

※ここは介護の情報発信者が主張している内容と矛盾点でもあります。

 

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②:MMT論者は、インフレをコントロールするのに増税を主張


これを主張していたMMT論者は不景気の時は減税、景気が良い時は増税と訴えていました。


このことを聞いた時には私もびっくりしました。


増税などそう簡単に出来るのだろうか?所得税は累進課税は良いとしても、法人税やましてや消費税などそう簡単には上げることが出来ません。


消費税を上げるのにどれだけ時間と論議が必要なのか?です。


税金を動かすには国会を通さないといけないわけで、機動的な政策ではありません。

 

③:MMTは社会主義的な考え方


一番最初にお話ししたように、最初にこの考えを選挙公約にしたバーニーサンダースのように使うお金が雇用や賃金などに使われるなら、それはもう社会主義国家と言わざる負えません。

 

ご承知のようにそれをやったソ連などは崩壊しています。つまり雇用や賃金を政府がコントロールすると、労働意欲が低下し生産性が低下します。歴史が物語っています。

 

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④:MMTにより国債を無限に発行できるわけではない


国債の発行が無限に出来るというのは間違いで、市場の需要に対して国債を発行しなければいけない。

 

需要を上回る資金を供給すると、今回のコロナ騒動によりマスクの供給が追い付かず、値段が上がったのと同じ考えです。

 

少ないものに対して買うお金が増えると物価が暴騰する、つまりハイパーインフレになる危険性があります。

  

⑤:MMTにより政府がお金を自由に使うとおきる問題

 

政府が自由にお金を使うと、民間のクラウディングアウトつまり民間の産業が圧迫される危険がある。

 

政府がたくさんのお金を調達し民間の同じ業界にお金を使うと、民間の仕事が押し出されて、圧迫される危険があるという事です。

 

⑥:雪だるま式に赤字が増えていく危険性

 

MMTは政府が穴埋めする、そうすると政府が赤字になる、その為政府は国債を発行する政府が発行した国債を日銀が買い取るとループし、雪だるま式に赤字が増えていく。

しかしこの問題に対して上記のように、明治以降の政府の負債は1740万倍に増えているが問題ないと言う主張です。

 

⑦:民間に資金需要があっての国債発行


実際には中央銀行がいくら国債発行を増やして日銀が買い取っても、民間に資金需要が無ければ貸し出しは増えないのではないか?

 

政府の国債を買い取っているのは主に民間銀行です。しかし理論と違うところは、実際にはMMTの設計通りに民間銀行は国債を買ってはくれない可能性があります。

 

資金需要が無い状態で、政府が国債を民間銀行にたくさん買ってもらうには金利を上げて買ってもらう必要性があるでしょう。

 

注意点:インフレ率と国債の金利上昇は意味が違います。

 

最後に

 

いろいろ考察してきましたが、MMT理論に関しては興味深いと思います。ただ理論で合って現実どうなるか?と言う問題があるようです。

 

デフレの今ではとても有効ですが、いざインフレになったときに対応できるのかが不明点であると言わざるお得ません。


また、介護職員の処遇改善につながるかと言うと、お金をまわすことはできるでしょう。
 

しかし日本のMMTはGDPを上げることを目的とするため、MMT論者でさえ社会福祉にお金をまわすべきではないとの意見があります。

  

今日はブログを読んでいただきありがとうございます。また宜しくお願いします。

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